なぜいじめはなくならないのか?社会と心理の両面から考える
「いじめはいけない」ということは、多くの人がわかっています。それでも学校でも職場でも、いじめは形を変えながら繰り返されています。なぜなくならないのか、その背景を考えてみましょう。
「自分たちと違う人」を意識してしまう心理
人には、自分が属する集団を「仲間」と感じ、そこから外れた人を「異質な存在」として意識してしまう傾向があると言われています。これは大昔、集団で協力しないと生き延びられなかった時代の名残とも考えられており、決して特別な人だけが持つ感情ではありません。この「線引きしたくなる」性質が、いじめの土台になりやすいのです。
集団になると個人の責任感が薄れる
「みんなもやっているから」という心理
一人では絶対にしないようなことでも、集団の中にいると「自分だけの責任ではない」と感じやすくなることが知られています。いじめが一人の加害者ではなく、複数人の集団によって行われやすいのは、この「責任が分散する」心理が関係していると考えられます。
傍観者の存在がいじめを長引かせる
いじめの現場には、直接手を出す人だけでなく、見て見ぬふりをする「傍観者」も存在します。傍観者は「自分は何もしていない」と感じがちですが、何もしないことが結果的にいじめを止める力を弱め、いじめを長引かせる一因になっているという指摘もあります。逆に言えば、一人でも「それはおかしい」と声を上げる人がいると、状況が大きく変わることもあります。
大人の目が届きにくい場所で起こりやすい
いじめは、教室の中でも先生の目が届きにくい時間や、オンライン上のやり取りなど、大人が把握しづらい場所で起こりやすい傾向があります。近年はSNSやメッセージアプリでのやり取りが増え、いじめの形も見えにくく複雑になってきています。
いじめをなくすためにできること
いじめを完全にゼロにする単純な方法はありません。ただし、「おかしいと思ったことは口に出してよい」という空気を作ること、そして一人で抱え込まずに信頼できる大人や友人に相談できる環境を持つことは、状況を変える大きな力になります。もし今、自分や周りの誰かがつらい思いをしているなら、それを我慢する必要はありません。
まとめ
いじめがなくならない背景には、「異質なものを意識してしまう心理」「集団の中で責任が薄れる心理」「傍観者の沈黙」といった、誰の心にも起こりうる要素が関わっています。だからこそ、いじめは特別な誰かだけの問題ではなく、周りにいる一人ひとりの行動が状況を変える鍵になるのです。
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